こんにちは、オーダーキッチンMOKのディレクターの齋藤です。

木製キッチンはその美しい木目、暖かみ、そして自然の美しさを兼ね備えた選択肢として多くの住宅で人気があります。最近ではオフィスでもで木調コーデでリノベーションするところも多いのではないでしょうか。

自然の素材を生かした木のデザインはどんなインテリアにも溶け込み、くつろぎ感や癒やし効果があるので「落ち着いた暮らしがしたい」「ストレスを軽減して生産性をアップしたい」など木製品のメリットが重要視されてきたからでしょう。

ここでキッチンに話を戻しますと木製のキッチンを選ぶ際には、大きなメリットもありますがデメリットも理解しておくことが重要です。

と言うわけで、この記事では木製キッチンの魅力と注意点について詳しく解説します。

木製キッチンのメリット


以前はメラミン化粧合板に押されぎみだった木製のキッチンですが、僕の感想で言うと高級なキッチンになるほど無垢材や突板材の扉のご相談が多くなってきたように思います。

ここでは木製キッチンのメリットを5点あげます。

自然な美しさと暖かみ

まず第一に言えるのは、木製のキッチンはその自然な木目と温かみのある色合いでどんなインテリアにもよく馴染みます。
木材特有の柔らかな質感がキッチン全体を落ち着いた雰囲気にしてくれます。

最近では、アイカ工業などの一見「本物の木?」と見間違うような見た目のメラミン化粧合板もありますが、実際に触った感触、手触りは突板とは全く違うものになります。

木製キッチンは環境に優しい

木材は再生可能な資源であり、適切に管理された森林から供給される場合、環境への負担が少ないです。SDGsが注目されていることもあり、木製キッチンを選ぶことで環境保護に貢献することができます。

ただし、木製のキッチンで使用される木材は何でもいいと言うわけではなく、きちんと管理された(植林や伐採計画など)木材を使うこともキッチンメーカーの課題だと思っております。

北米(アメリカ・カナダ)やヨーロッパの木材は植林をしたりしてキチンと管理された木材を生産していますが、中国やロシアの木材は管理が十分ではないこともあります。

材種

チェリー無垢材のキッチン 扉

木製キッチンに使われる木材は、主にオーク材(オーク材といっても、ホワイトオーク、レッドオーク、はたまたナラ材もオーク材に分類されます)やウォールナットが中心ですが、チークやチェリー材なども素敵な木の表情を見せてくれます。

作りたいキッチンやリビング・ダイニングからの見え方などでお気に入りの樹種を選んでください。

オーダーの柔軟性

木材は加工がしやすいためカスタマイズの幅が広がります。塗装によって色目を変えることはできますが、僕は自然ままのクリア塗装で杢目を生かしたものが好きです。

杢目は縦目でもいいし、横目でもいい。

以前は横目一辺倒でしたが、最近では縦貼りを希望される設計士さんもあります。


フラットな扉だと突板、框タイプのキッチンだと無垢材を使うことになります。框の幅も自分好みのデザインやサイズに調整できるためオリジナリティ溢れるキッチンを作ることが可能です。

長寿命

木製のキッチンは適切なメンテナンスを行えば非常に長持ちします。傷やへこみができても修復が比較的容易であり長期間美しさを保つことができます。

木製キッチンの耐用年数はよほどのことがなければ20年以上は十分使えるし、無垢材のキッチンなら高級家具と同じで3世代近くは長持ちします。

木製キッチンのデメリット



メンテナンスが必要

木製のキッチンは定期的なメンテナンスが必要。
一般的なウレタン塗装仕上げなら水には強いのですが、オイルステイン仕上げや自然塗料は水を弾く力が弱いので、こまめな掃除や定期的なオイル塗布などの手入れが求められます。

何にせよ、木製キッチンは水や湿気に弱いためこぼれた水や液体はシミや変色の原因になるためすぐに拭き取ったほうがよいでしょう。

高コスト

木材を使用したキッチンは、他の素材と比べてコストが高くなることが多いです。
それでも、弊社のキッチンに採用している北海道大雪山系のナラ突板などは高品質で杢目が美しいので、ぜひ皆さんのキッチンにも使っていただきたい素材です。

へこみに弱い

木材はメラミンより硬度が低いため日常の使用で傷やへこみがつきやすいことも覚えておいたほうがいいでしょう。

キッチンを家具として捉えるなら、小さな傷は風合いとして楽しむこともできますが、大きな損傷は補修が必要となります。

温度変化や湿度に敏感

木材は温度や湿度の変化に敏感で反りや割れの原因となることがあります。特に湿度が高い場所や急激な温度変化が発生する環境では注意が必要です。

僕の経験では、軽井沢に納品する海外の無垢材のキッチンは扉が反ることが多かったですね。軽井沢って冷涼な気候のイメージですが、意外と湿度は高いのです。

色が変わる

木製のキッチンは日焼け・紫外線で色が変わってきます。窓に近いところのキッチンの扉は、紫外線により設置当時と比べ濃くなることがあります。

木製キッチン・無垢材のキッチンメーカー

調べたところ、木製キッチン・無垢材を使用したキッチンメーカーはそれ程多くありませんでした。有名なところでは弊社も含め以下の通りになります。

ウッドワン
〒738-8502 広島県廿日市市木材港南1番1号

矢島
〒391-8558 長野県茅野市金沢3410-3

MOK キッチン
〒164-0012 東京都中野区本町2-2-11 フロアアンドウォールズ3階

インパクト
札幌市東区北34条東17丁目1-26新道東ビル2F

■藤岡木工所
〒501-2114 岐阜県山県市佐賀586-1

まとめ

今回は「木製キッチンのメリット・デメリット」についてまとめてみました。

・木製キッチンはその美しさと暖かみ、カスタマイズの柔軟性から多くの魅力があるが、同時にメンテナンスやコスト面での課題も存在する。
・木製キッチンを選ぶ際にはその特性を十分に理解し、適切なケアを行うことが重要。
・ライフスタイルや予算に合わせて、最適な材種・素材を選ぶ。
・木製キッチンの持つ独特の魅力を最大限に引き出すために、日常の手入れを怠らないように。


以上ことを注意すれば木製のキッチンは、非常に長く愛用できます。

それと予算に限りはあると思いますが、低価格の木製のキッチンは材料も安いものを使っていることも多く、きれいな杢目の扉を使いたなら出費もある程度は許容する必要があります。