こんにちは、オーダーキッチンMOKのディレクターの齋藤です。
今回はコセンティーノ社のクオーツ板「サイルストーン」とセラミック板「デクトン」の違いを紹介します。
キッチンのカウンタートップには、人工大理石やステンレスなどさまざまな素材が使われていますが、その中でも人気が高いのがコセンティーノ社のサイルストーンとデクトンです。これらはどちらも人工石(人造石)で天然石に比べて耐久性やメンテナンス性に優れています。
しかし、サイルストーンとデクトンはどのように違うのでしょうか?そして、キッチンで使うならどちらが良いのでしょうか?
結論として、”適材適所” でどちらもキッチンで使うことはメラミンや人工大理石よりも優れていると言えます。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較してご紹介します。
サイルストーンとは?
サイルストーンは、コセンティーノ社(スペイン)が製造しているクオーツ材になります。
サイルストーンは天然石の一種である石英を約94%含む人工石です。石英はガラスの元として硬度が高く、耐熱性や耐摩耗性に優れています。
占いなどに使う水晶も石英でできていて、石英が入った人工石をクオーツと呼ぶのもそのためです。
サイルストーンは、石英に樹脂や色素を加えて圧縮・加熱することで作られます。そのため、天然石にはない色や模様のバリエーションが豊富にあります。また、表面に目立つ目地や継ぎ目がなく滑らかで美しい仕上がりになります。
サイルストーンの原板の大きさは、長さが3.2メートル、奥行きが1.5メートルのもあり一枚で大きなアイランド天板が作れます。
厚みは柄によりますが、1.2センチ、2センチ、3センチと3種あります。ただし、国内にない厚み板もありますので注意が必要です(ないものは本国より3~4か月で輸入が可能です)。
サイルストーンのメリット・デメリット
サイルストーンのメリットは以下の通りです。
- 耐久性が高く、傷や汚れに強い
- 色や模様の種類が多く、好みに合わせて選べる
- 表面がなめらかで清潔感がある
- マット仕上げ、ポリッシュ仕上げがある
- 目地や継ぎ目がなく、水や油が浸透しない
- 人工板なので天然石のようなロットによる色柄違いがない
- 天然石より軽量なので搬入・施工性に優れる
サイルストーンのデメリットは以下の通りです。
- 耐熱性は低めで、熱した鍋やフライパンを直接置くと変色することがある(人工大理石程度)
- 難燃材のためコンロ前の壁に貼るのは適さない
- 価格が高く、設置費用もかかる
- 重量が重く、薄い板を使う場合は下地の強度に注意が必要
- 天然石と比べると自然な風合いに欠ける
- マーブル柄のものは印刷(プリント)なので、カット面に模様は入らない
- ヒビが入ったり欠けたりしたら補修はできない
デクトンとは?
デクトンは、天然鉱物を約90%含む人工石です。
デクトンは、自然界から抽出した20種類以上の鉱物を混合し製品化された素材です。
鉱物に水や色素を加えて圧縮・加熱するの過程で、天然鉱物の結晶構造が変化しより密度の高い素材になります。そのためサイルストーンよりデクトンは非常に硬く、耐久性や耐熱性に優れています。
また、サイルストーン同様に表面に目地や継ぎ目がなく、滑らかで美しい仕上がりになります。
デクトンの原板の大きさは、327 x 147センチ 、300 x 100センチ、328 x 148センチの3種類。厚みは、0.4センチ、0.8センチ、1.2センチ、2センチと3種あります。
こちらも柄によってサイズ・厚みが異なったり、在庫のある無しがありますので、事前にカスタムキッチン メーカーにご相談ください。
デクトンのメリット・デメリット
デクトンのメリットは以下の通りです。
- 耐久性が高く傷や汚れに強い
- 耐熱性が高く鍋やフライパンを直接置いても大丈夫
- 色や模様の種類が多く、好みに合わせて選べる
- 表面がなめらかで清潔感がある
- 目地や継ぎ目がなく水や油が浸透しない
- 天然石にはないダイナミックな色柄がある
- 人工石なので天然石のようなロットによる色柄違いがない
- 天然石より軽量で搬入・施工性に優れる
デクトンのデメリットは以下の通りです。
- 価格が高く、設置費用もかかる
- 重量が重く、下地の強度に注意が必要
- 切断や加工に専用の機器が必要
- ヒビが入ったり欠けたりしたら補修はできない
キッチンで使うならどちらが良いか?
サイルストーンとデクトンは、どちらも人工石で耐久性やデザイン性に優れた素材です。
では、キッチンで使うならどちらが良いでしょうか?
- 予算:どちらも人工大理石とくらべると価格は高いのですが、サイルストーンよりデクトンのほうが価格は高く設定されています。
予算重視ならサイルストーンが良いでしょう。 - デザイン:どちらも色や模様の種類が多いので好みに合わせて選べます。
サイルストーンはモダンな印象、デクトンはナチュラルな印象の柄が多いように思います。デクトンとサイルストーンでは同じ柄は無かったと思います。 - 機能性:どちらも耐久性に優れていますが、デクトンの方がより耐久性に優れています。
キッチンパネルやタイルの代わりに壁に貼る場合は、耐熱性のあるデクトンを貼らなければなりません。厚みは4mmでいいでしょう。 - 耐久性:サイルストーンでも美しさを永く保てますが、デクトンの方が更に固くて強いです。
- お手入れ:サイルストーン、デクトンとも表面に汚れはつきにくく内部に染み込みません。一般的なキッチン用洗剤でのお手入れが可能です。
まとめ
今回は、コセンティーノ社のサイルストーンとデクトンの違いとそれぞれのメリットとデメリットを紹介しました。
最近では、システムキッチンメーカーでもセラミックやクオーツトップを使ったキッチンも発売されているので興味がある人は多いと思います。
サイルストーンとデクトンの最大のメリットは、デザイン性が高いこと。
大理石などの自然な質感を再現したものはとても高級感がありますし、どちらもキッチンの雰囲気を引き立てることができます。
サイルストーンは一般的な人工大理石よりも約20~40%ほど高く、デクトンはさらに高価です。メラミンや人工大理石に比べるとコスパはあまり良くありません。
しかし、長く使えるし、見た目もかっこいいし、お手入れも楽だし、と考えると、それだけの価値はあるかもしれません。
僕がデザインするキッチンの半数以上はサイルストーンとデクトンを使っています。
MOKのカウンター材についてはこちらをご覧ください。