こんにちは、オーダーキッチンMOKのディレクターの齋藤です。今回は造作棚のお話。
造作家具やオフィス什器でよくあるのが「インロー式固定棚」。
「インロー式」という表現が指すものについてはご存知ない方に向けて、つまり凸凹の部材を組み合わせて固定する方式なのです。
インローは英語ではなく日本語で、印籠(インロウ)が語源です。
今回は、実施の現場で「インロー式の固定棚」を施工してみましたので、その紹介記事になります。
インロー式の固定棚の仕組み
インローの取り付け方としては、まず下地に合わせて壁に木材(桟木)を固定します。これを後付け下地(凸)とします。
そして、工場で作った対になる形(凹)の棚を手前から差し込む(接着剤は入れておきます)といった造作家具業者であれば別段難しくない施工方法です。
インローのような仕組みを棚に応用する場合には、棚の段が互いにしっかりと嵌り合うことで安定して固定される構造になるのです。
インロー式固定棚の特徴
ここでは、インロー式固定棚の特徴をまとめてみました。
- 安定性:棚の各段がしっかりと噛み合うことで、安定した構造を持ちます。重い物を載せても棚が歪むことが少なくなります。
- 施工が容易:壁への取り付けが簡単にできます。下地を大工さんに作っておいてもらえばビスと接着剤で施工できます。
- 美しいデザイン:接合部分が隠れるため外観がすっきりと美しくなります。また、L型アングルを使わないので壁面がスッキリした印象を持ちます。
- 左右に壁が必要:インローの壁に取り付ける凸の部分は正面壁と左右セットで棚を持たせます。
インローの棚の選び方
- 材料:インロー式の棚は、集成材や合板を使うことが一般的です。高品質な材料を選ぶと反りにくく、長持ちします。仕上げは塗装だったりメラミン化粧が多いですね。
- サイズ:インローの棚はそれ程の長さには向きません。当社では2mぐらいまでで納めています。長い棚だとインローといえど垂れてくることもあります。適切なサイズの棚を選びましょう。
- 厚み:僕はインローの棚の厚みは30mmにしています。適度な耐荷重とシンプルな見た目が美しい。
まとめ
「インロー式の固定棚」は、インローの構造を模した固定方法ですが、安定性、美しさが重要なポイントです。
これらのポイントを考慮しキッチンやリビングのアクセント的オープンシェルフとして使ってみてください。
また、造作家具やオフィス什器、オーダーキッチンについても承っております。